2023.02.09 [木] 働くの学び舎[SmartHR](業界研究2022)
立春も過ぎ、後期授業の終了が近づいてきました。
今年度、最後の業界研究授業は株式会社SmartHRさんにお越しいただき、UXデザイン、ウェブアクセシビリティの基礎講座を行っていただきました。
この講座は、SmartHRさんが、学生向け出張講座や人事・労務の実務担当者向け資格検定などを通じて、日本の”働く”をアップデートするための「働くの学び舎」プロジェクトの講座となります。

働くの学び舎
クラウド人事労務ソフト「SmartHR」を提供する株式会社SmartHRが、誰もがその人らしく働ける社会の実現に向けた新プロジェクトが「働くの学び舎(はたらくのまなびや)」です。
世の中が急速に変化し働き方が多様化する昨今、働くことに関する知識を学ぶ機会を増やすことで、ひとりでも多くの人が心地よく、健康に、その人らしく働くための選択肢を増やしたいとの想いから、共創プロジェクト「働くの学び舎」は立ち上がりました。
主な活動である学生向け出張講座「働くの学び舎 for Students」、人事・労務実務担当者向け資格検定「人事労務マイスター検定」を通して、私たちSmartHRの知識や経験を積極的に社会に共有するだけでなく、双方向のコミュニケーションを大切にし、学びの場を共に創っていくことで、誰もがその人らしく働ける社会を目指します。
引用:SmartHR、新プロジェクト「働くの学び舎」を公開。“働く”をテーマに学ぶ・知る機会を共創|PR Times
学生向け出張講座「働くの学び舎 for Students」では、全国の大学・短大・高専・専門学校を対象に
- 給与明細から考える働き方講座〜 学校でも会社でも教わらない、働くうえで役立つ人事・労務の基礎知識 〜
- UXとウェブアクセシビリティの基礎講座〜 多様なユーザーに対応するものづくりに必要な基礎知識 〜
の2講座を開催されています。
どちらも面白そうな講座ですが、やはりWeb制作を学ぶ学生ということで「UXデザイン、アクセシビリティ基礎講座」をお願いしました。
SmartHR
2013年1月23日設立。2015年11月にクラウド人事労務ソフト「SmartHR」を提供開始。
雇用契約、年末調整などの人事・労務業務のペーパーレス化や、従業員サーベイや分析レポートなど蓄積された情報を活用する人材マネジメントまで、多様な人事・労務の業務効率化を実現しています。
Web上から役所への申請も可能で、煩雑で時間のかかる人事・労務管理から経営者、担当者、従業員を解放し、企業の生産性向上を後押ししています。
とんねるずの木梨憲武さんと俳優の伊藤淳史さんのCMで名前を聞いたことがある人もいるかもしれません。
UX基礎講座
まずは、昨年度も業界研究授業でお世話になったUXデザイナーの後藤さんにUXデザインの基礎をお話しいただきました。UXデザインを取り巻く4つの言葉があります。
- UI(ユーザーインターフェース)
- ユーザビリティ
- UX(ユーザーエクスペリエンス)
- UXデザイン
「ユーザビリティはサービスの性能、UXはユーザーの中で起こること、UXデザインは、よいUXになるようにする、作り手の仕組みづくり」と教えていただきました。

似たような場面で登場する言葉ですので、混同しないように、図を使って解説していただきわかりやすかったです。
頻繁に登場したこの図は忘れないようにしたいですね。
UXワーク
「隣の人の大切なものを紹介しよう」ということで、事前にアンケートに答えていた各学生の大切なものについて、2人ペアになってお互いに話し合いをしました。
- あなたの大切なものはなに?どのくらい使っているもの?
- どんな経緯で使うことになった?はじめの印象は?
- 使っていていいなぁと思うポイントは?
- これからも使い続けていきたい?それはなぜ?


それぞれの問いが「予期的UX」「瞬間的UX」「エピソード的UX」「累積的UX」に関する問いとなっています。


話し合いのあと、相手の大切なものに対するこだわりやエピソードなどを発表してもらいました。
ウェブアクセシビリティ
続いて、ウェブアクセシビリティの基礎講座です。
アクセシビリティスペシャリストの辻さんの講座では「音声だけでWebを使ってみよう」ということで、普段利用しているMacのVoiceOverを利用して、トライデントコンピュータ専門学校のWebサイトを"聞いて"みました。
行きたいページや、コンテンツにたどり着くのは、慣れもあるとは思うのですがとても大変でした。

辻さんは、生まれつきの全盲で、普段からスクリーンリーダーを利用してお仕事をされています。
Webブラウザを使わない方にとっては、学校のWebサイトはあまり親切ではないかもしれません。
また、実際に使われている点字キーボードも触らせていただきました。
こちらのキーボードは、高価なものと聞いて、ちょっと緊張しながらも興味津々でみんな触っていました。

ウェブアクセシビリティに関しては、HTMLを学習する上で解説はしているのですが、やはり実際に全盲の方がWebサイトを利用とする姿を目にすると、その重要性に気づいてもらえやすいのかなと思います。
ウェブアクセシビリティ基礎
では、実際にどのようにWebサイトに実装するのでしょうか。
おなじく、SmartHRのアクセシビリティスペシャリストの桝田さんに、ウェブアクセシビリティの基礎、なぜアクセシビリティについて考えなければいけないのかなどについてお話していただきました。

アクセシビリティとは「access + ability = アクセス可能性」の造語です。
このアクセスできるとは、どういうことなのでしょうか。
- 知覚できる
- 操作できる
- 理解できる
- 壊れない
これらのアクセスできるを実現するのがアクセシビリティになります。
現在、ウェブを取り巻く状況は、人間はもちろん、デバイスの種類、閲覧環境など様々な多様性に対しています。
誰かの使いにくいは、誰かには使えない。 誰かの使えるは、誰かには使いやすい。
という考えのもと、制作するWebサイトもUIを単純化したり、マシンリーダブルにするなど、Webサイトの品質を上げていきたいものです。
アクセシブルにするための実装
ひとこと「HTMLをちゃんと書く」だそうです。
だんだんと複雑なものが作れるようになってくると、CSSやJavaScriptばかりに注目しがちですが、正しいHTMLを書くことがやはり一番重要です。
ということで、90分で盛りだくさんの講座となりました。
終了後は、学生の質問にもお答えいただき、ありがとうございました。
Web制作の学習で「UX」や「ウェブアクセシビリティ」は、知識や概念で留まってしまいがちです。ちょっとでも興味のある学校や先生は、「働くの学び舎」に問い合わせてみてもいいのではないでしょうか。
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