2023.07.28 [金] 田口 和磨さん[ReDesigner for Student](業界研究2023)
暑い毎日が続きますね。
小中高生は、すでに夏休みに入っているかと思いますが、トライデントコンピュータ専門学校は、8月4日まで前期授業があります。
とはいえ、残りわずかですので頑張っていきましょう。
過去、3回デザイナーのポートフォリオ制作についてレクチャーいただいたReDesigner for studentの田口さんに、今年もお願いしました。

これまでは、新型コロナ感染拡大もあり、オンラインでの講演だったのですが、今年はやっと名古屋にお越しいただけました。

ReDesigner for Student
ReDesigner for Studentは、「世の中にデザイナーを増やす」をミッションにスタートした新卒デザイナー特化型就活支援サービスです。
- 求人/インターン検索機能
- マッチング機能
- 学生同士のポートフォリオ閲覧
- メッセージ機能
- 最新のイベント情報
- OB/OG訪問機能
など、デザイナーを目指す学生と、デザインの力を信じる企業をマッチングする就活プラットフォームです。
デザイン会社である株式会社グッドパッチが、デザインの力を信じるたくさんの企業と、これからの未来をつくる学生をマッチングするサービスとして、2019年に正式リリースしました。
さらにデザイナーの育成にも注力して、学生向けの各種セミナーの開催、ポートフォリオ制作へのアドバイスや就活相談なども行っています。
ポートフォリオとは
まだ入学して3ヶ月あまりの1年生ですが、就職活動には必ず必要となるポートフォリオ制作レクチャーや、実際のデザイナー就活について話をしていだきました。

ポートフォリオとは、クリエイターにとっての説明書のようなものです。
何をやってきた人なのか、直接説明しなくてもわかるようにするものです。

さらに、この説明書を自分で読むことで、自分のことも客観的に見えてくる。
ということは、就職活動の時にだけでなく、今の自分を客観視するツールとして、常にアップデートして活用していくのが、ポートフォリオの役割です。
今日のゴールとしては「1ヶ月以内に、2〜3作品がまとまったポートフォリオver.1」が完成している」。
このとき、完成度は100点満点中30点を目指します。

過去3回の「業界研究」授業のブログを見直したのですが、50点(2021)→2週間で30点(2022)→1ヶ月で30点(2023)と段々とハードルが下がってきています。それだけ早めにスタートすることの重要性と難しさがあるのだと感じます。
ポートフォリオver.1
今日、授業が終わったら「フォルダを整理し、ラフ画やボツ案など制作に関わる成果物やデータを"すべて"集めてフォルダの整理をする。」この"すべて"とは
- 作品そのもの(複数名で関わったプロジェクト含む)
- 授業/コンペで使ったプレゼン資料
- アイデアを出すときに使ったメモ・落書き
- 友人やユーザーからもらったフィードバック、サーベイ(測定や調査)
- ワークショップや発表・活動時の写真
- 掲載されたメディア、新聞記事、インタビュー
など、制作に関わったモノ"すべて"です。
これらを整理し、「自分がどんなものを作ってきたのか」振り返る。それがポートフォリオvar.1です。


ポートフォリオの構成要素
では、具体的にポートフォリオの中身を考えてみましょう。
ポートフォリオの構成要素として考えられるのは
- 表紙
- 目次
- プロフィール
- 作品
と、意外と多くはありません。
しかし、それぞれに気をつけるポイントがあります。
表紙
表紙をゴージャスに作り込まない。
昔から就職活動の都市伝説で「大きな会議室に数多くのポートフォリオが並べられ、気になるデザインから選んでいくので、表紙はインパクトのあるクオリティを高くするべき」と考えられているようですが、採用担当者に話を伺うと、一冊ずつ丁寧に見ていただいている印象です。
あまり表紙に力を入れるよりも、他の部分に注力したほうが良さそうです。

目次・プロフィール
目次は、とても重要です。
ここで気をつけたいポイントは、作品タイトルです。作品のタイトルを「ポスター制作」などタイトルのみするのではなく、どういったポスターを制作したのか、目次にわかるように記述することが重要です。
サムネイルを入れるなど一見してどのような作品なのか、見る人のことを考えた配慮も必要です。
プロフィールページも、実は採用担当者がよく見ている項目です。
- 経歴
- コンペやインターンへの参加・受賞歴
- 使えるツール
- 連絡先のメールアドレスやSNSアカウント
のような内容をしっかりと明記しておきましょう。
作品
小さな章立てである各作品の構成は、起承結でストーリーで見せるとスムーズにわかりやすくなります。
- 起:どんな目的なのか、対象者は誰か
- 承:目的や対象の明確化する調査や制作プロセス/li>
- 結:"起"、"承"を経て、どんな作品になったのか

まとめ
最後にポートフォリオ制作のやることをまとめていただきました。
- 1ヶ月以内には、まず30点のPFを完成するぞ、というこころ持ちを持つ
- ハードディスク内を整理、ポートフォリオの設計図づくり
- 誰かに見せて壁打ちしてみる
- ポートフォリオをつくる
- つくりたいものをつくる(つくるべきものをつくる)
- 興味がなくてもよいので説明会に行ってみる
終了後は、学生の質問にもお応えいただきました。漠然としていたポートフォリオ制作への不安が、手の届きそうなスタートラインを教えてもらったことで、就職活動が本格化する前に心の準備とポートフォリオの準備ができそうです。
田口さん、名古屋までお越しいただきありがとうございました。
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