2022.08.18 [木] 風呂谷誠さん、安藤さん[株式会社アビリブ](業界研究2022)
年々、異常気象のニュースが絶えないですが、今年の夏も激しいですね。
長かった夏休みも、そろそろ終わりに近づいてきました。宿題などは順調に進んでしますでしょうか?
さて、業界研究授業のレポートです。
前期3回目の「業界研究」特別講義は、宿泊業のWebサイトを主に制作している株式会社アビリブ様より、ディレクターの風呂谷さんと安藤さんにお越しいただき、Web制作会社について、Webサイト制作についてお話しいただきました。
アビリブさんは、全国各地に支社があり、海外にもオフィスを構える名古屋では、比較的大きな制作会社のひとつです。
講義の内容
主に、Webデザイナー兼ディレクターの風呂谷さんがお話をしてくださり、安藤さんが他のエピソードなどを交えて、補足いただきました。


会社の紹介&自己紹介
風呂谷さんは、もともとDTPのデザイナーで、Webの可能性に惹かれて、Web業界に転職されました。なんと、トライデントデザイン専門学校の卒業生でもあります。
会社の紹介では、株式会社アビリブの企業理念「クリエイティブが人を動かす、クリエイティブが世界を動かす」と大切にしているコンセプト、4つの輪について話をしていただきました。
- 感謝の輪
- 未来を想像する輪
- 人を動かし世界を動かす輪
- 共に生きる輪
また、在籍する社員の約半数がデザイナーで、Webデザイン以外にもマーケティングや動画編集、印刷物からインバウンド集客まで、様々なサービスも行っています。
そして作って終わるのではなくその後のサポートも充実「デザインし続ける」ことの大切にされています。

デザインの現場
アビリブは、全国各地のホテルや旅館など宿泊施設のWebサイトを多く手掛けていますが、デザインを使い回すことはせずに、ノウハウを引き継ぎ、クライアントの希望に添えるように一つ一つデザインしているそうです。

クライアントとのやりとりをせずに作った製品は「0」で、全てのWebページをクライアントと共に創り上げていくため、全てがオリジナルです。
実際に制作されたWebサイトを紹介していただきながら「誰に」「何を」「どう」伝えたいかが重要と話されていました。
制作の流れ
では、具体的にWebサイト制作の流れはどうなっているのでしょうか。クライアントや達成すべき課題によって変わるということでしたが、だいたい次のような流れになっています。
1.取材・打ち合わせ
コロナ禍でなかなか難しい時期もあったそうですが、基本的には現地に赴きヒヤリングや取材することで、新たな発見をデザインに繋げたりできるそうです。
また、デザイナーの目線で見ることで、クライアントでも気付かない魅力を見つけることも多く、体験するのが最強のマーケティングと言われていました。

2.ワイヤーフレーム
続いて、ヒアリングや企画をもとにワイヤーフレームを作成していきます。
クライアントによっては、ワイヤーの状態でほぼビジュアルがわかるまで作り込んだり、配置するコンテンツ情報だけだったり、クライアント毎、ワイヤーフレームを制作する人によって変わるそうです。
旅館の場合は写真を入れたイメージ中心のわーやーフレームの場合もあるが、トライデントコンピュータ専門学校のWebサイトなどでは、情報が伝えられるかが大切なのでワイヤーフレームもイメージよりも、情報(文章)を中心に最終形態に近い形でしっかり作られるそうです。
3.デザイン
ワイヤーをもとにデザイナーがより良いHPになるようクライアントとのやりとりをしながらブラッシュアップしていきます。
実際に、ホテルのWebサイトを制作した時に利用したワイヤーフレームを見せていただき、最初→修正→デザイン案→完成と段階ごとの違いを知ることができました。
時にはワイヤーから一つも残らないことも…
なかなかみることのできない、貴重な資料をありがとうございます。
4.構築
HTML、CSS、JavaScript、Sassなどの言語を使いコーディングをしていきます。
営業、ディレクター、デザイナー、コーダー、システムエンジニア、マーケターなど制作会社だけでなく+『クライアント』で情報共有など連携し、チームとしてより良いWebサイトの制作を目指します。
5.公開
実装ができたら、いよいよ公開です。
しかしWebサイトは、ここからの「運用・改善」が大事になってきます。
クライアントの
- キャンペーンを告知したいのでバナー制作設置をしたい。
- 季節ごとのメニューが変わったので画像を変えたい。
改善することで、どれだけ数値が上がるものなのか、クイズ形式で学生にも考えてもらいながら、説明していただきました。
「えっ?たったそれだけで、そんなにも上がるの?!」という驚きました。
地味な修正も侮ってはいけません。

Webデザインは「進化し続けるデザイン」「育て続けるデザイン」であり、前職のDTPデザインの印刷・納品で終了で、成果物の効果が計測しづらい他のデザインとは違う魅力だと、言われていました。
求められる人材像
Webデザイナーを志望している学生も多くいます。
アビリブさんが、制作の現場に求める人材像ということで3つのポイントを上げられました。
- 気づきを持つことが出来る人
- 自分から動ける人
- チームワークができる人
授業課題はもちろん、学生生活を通じて、身に付けていきたいポイントです。
質疑応答
最後に、学生からの質問に答えていただきました。
「Webデザイナーになるために、優先的にやるべきこと、絶対にしておくべきことは?」という質問に「ひたすら作り続ける、まずは経験を積み重ねること」さらに「作り切ること」とアドバイスしていただきました。
始めるだけで満足してしまわず、完成させることの重要性を教えていただきました。
外出制限が緩和し、旅行や観光も盛り上がりつつあります。
宿泊施設にとっては、更に重要性を増してくるWebサイトの制作現場を垣間見ることができて大変勉強になりました。
お忙しいところ、ありがとうございました。
- 関連記事
-
- 前野 拓馬さん[株式会社エスケイワード](業界研究2023) (2023/11/24)
- 鶴田 信博さん[株式会社マベリカ](業界研究2023) (2023/08/18)
- 田口 和磨さん[ReDesigner for Student](業界研究2023) (2023/07/28)
- 伊藤さん[株式会社スタメン](業界研究2023) (2023/07/18)
- 株式会社モリサワ「知ると楽しい文字の話」(業界研究2023) (2023/06/23)
- 働くの学び舎[SmartHR](業界研究2022) (2023/02/09)
- 福田さん[株式会社アンティー・ファクトリー](業界研究2022) (2023/02/07)
- 小林さん[GrowGroup](業界研究2022) (2023/01/13)
- 森健さん[コピーライター](業界研究2022) (2022/11/04)
- 風呂谷誠さん、安藤さん[株式会社アビリブ](業界研究2022) (2022/08/18)