1年生の後期には、昨年に引き続き、「Webワークショップ」という授業を行ないます。学生は、Photoshopの使い方やマークアップ、ActionScriptなど技術面にばかり目が行ってしまいますが、Webデザイナーとして知っておきたい知識などを専門家の方にお願いして、ワークショップ形式で学んでいただきます。
2010年の第1弾は「アクセス解析」。
先日の、
名古屋サイト改善研究会Vol.1や
CSS Nite in Nagoyaでの小林さんの話の中にもあったように、今後、Web制作をする上で欠かせない知識、技術となっていきます。
とはいえ、難しいという印象もありますので、今回は
株式会社HARMONYの石井研二さんにお越しいただき、講義とワークショップを通じて「アクセス解析の基礎」を学びました。
(※学生には、事前に自分のブログにGoogle Analyticsを導入させてあります。)

講義の対象が学生だったので、そもそも「ログとは?」という話から始まりました。これは分かりやすいです。
◆アクセス解析の基礎
○約50%の人は、1ページ見ただけで帰る。しかし2ページ目に進んだ人はその後、3ページ目、4ページ目と見てくれる可能性が高い。したがって1ページ目でしっかりつかみ、次のページへ案内する必要があるということです。
「せっかく下まで見てくれたのに、トップページへ戻してどないすんねん。」
○資料請求ボタンの位置に関しても、右上は横組のデッドゾーンなので、1つ置いただけでは効果はない。
○サーチエンジンはテキストが好き。
○セッション数と訪問者数の関係(訪問者数はそのままでPVを増やす)
○サイト構成図(サイトストラクチャ)は情報の階層構造であり、動線とは別。
○今や!トップページからの訪問者は全体の3割。
○ドラえもんは、春の季語(笑)
○目次に凝ったFlashはいらない。すぐ次に行ってもらうためのもの。
○訪問者数を増やすには、メルマガなどリピーターコントロールが必要。
◆SEOについて
○Optimizationとは、最適化と略されるが元々は進化論からきた言葉
○Webビーコン型アクセス解析ツール(Google Analyticsなど)
○「やっと良い情報を見つけた!」を提供しなければいけない。
○SEOに必要な要素「集めたいユーザー数」「検索ニーズ」「頻繁な更新数」「関連したページからのリンク」
○カイロプラクティック院のキラーワード「顔の歪み」
○アクセス解析では、必ず間をみる。
◆Google Analyticsについて
○カスタムレポートの扱いがわかれば、Google Analyticsは使いこなせる。
○1ページ見ただけで帰る人を直帰者と最初に言ったのは私。by石井さん
○押せそうなボタンは押してみる。
○比較する機能が充実しているので、比較させてみる。
※石井さんのGoogle Analyticsの画面はすごくカスタマイズされてました。
○サイト管理者は日記をつける→成果を記録する→顧客に報告する→お金がもらえる。
※Google Analytics内にもメモをする機能があるので、それでも良い。
○キーワードは100件ほどで見る。(マシンパワーがあれば250件でも良い)
この後は、操作方法に夢中でメモが取れていませんでした。
しっかりと講義を受けた後は、花屋さんのサイトを題材に、マーケティング的な手法でサイトユーザーの求めている欲求をさぐるワークショップです。

まずは、花屋さんのHPを利用しそうな、ユーザー層を書き出します。そのユーザー層に十字で軸をつけ、「特別」「日常的」、「発生頻繁」「発生度々」で分布させるとユーザー層がより明確になります。

その中から、この人に来てもらいたいというユーザー層を選び、9マスの真ん中に書き込みます。そのユーザーが検索しそうなキーワードを残りの8マスに書いていきます。その8マスに書いたものの中から、あまりビックキーワードで無いものを選びます。さらに9マスを用意して、真ん中に書き込み、残りの8マスにそのキーワードを検索するシチュエーションを書き込んでいきます。これが「曼荼羅メモ」法。

上記を何度か繰り返し、より具体化させていき、ターゲットを明確にしていきます。そのターゲットが求めるコンテンツを洗い出し、カテゴリ分けができると、ターゲット狙い撃ちのコンテンツが見えてきます。


石井さんの、この図を見たときに、ラダーリング法の
ラダーアップを思い出しました。ラダーアップもユーザー調査に適しているということでしたので、考え方は似てると思います。
初回から、盛りだくさんの講義。ありがとうございました。
お陰さまで、1年生全員のブログにはGoogle Analyticsが導入され、これから、制作するWebサイトのUIも変わってくるのではないでしょうか。
昨年の「Webワークショップ」
「Color」 ゴトウマサコ さん
「コピーライティング」 小野裕子 さん
「写真」 おかだよういち さん
「デザイン」 矢野りん さん