2014.07.21 [月] UX Japan Forum 2014が開催されました。

キーノート 「UX思考 - ユーザーエクスペリエンスの視点からイノベーションを生み出す」
山崎 和彦 氏(千葉工業大学)

まずは、「エクスペリエンス・ビジョン」「人間中心設計の基礎」の著者で千葉工業大学デザイン学科教授の山崎先生による「UX思考」について解説していただきました。UX(ユーザーエクスペリエンス)という言葉が聞かれるようになり、企業が活用をしています。UXはイノベーションの要素であり、イノベーションを生み出すためのリフレーミング(物事のとらえ方の枠を外すこと)に役立っています。ダスキンの事例など交えて、今後のUX思考の方向性を示唆される内容でした。モノ・コトのデザインから組織のデザインへ山崎先生の注目が変わってきているそうです。
セッションA 「ユーザエクスペリエンス・デザインの破壊と再生」
坂田 一倫 氏(ShibuyaUX / UX Tokyo)、山本 郁也 氏(UX Tokyo)

お昼休憩が終わって最初のセッションは、それぞれShibuya UX, UX Tokyoとコミュニティの運営に携わっている坂田さんと山本さんのセッションです。坂田さんは、具体的な事例をもとに、どのようにUX手法を取り入れ、結果を出したのかを解説していただきました。「デザインは想いをそのままカタチにすることである。そのためのHCD」です。
山本さんは、戦略ディレクターとしてスタートアップの経営者をサポートされている実績から、今後のUXの活用領域の変化と、社会人とくに若い新人にたいしてのUX教育の重要性を話されました。その中で、徒弟制度を取り入れていく教育など興味深い内容でした。「 ウェブデザイナーの立場が組織の中で弱い場合が多い。デザイナーが強くならなければならない。」というメッセージが強く印象に残りました。
セッションB 「クライアントの向こう側 - “見えないユーザー”との付き合い方」
平野 秀幸 氏(Sakae UX)、坂本貴史 氏(友情出演)


「Webグランプリ 企業グランプリ部門」受賞のセントレアWebサイト制作でユーザーを、どう捉えたのか。具体的にクライアント先である空港の1室借りて、どっぷりとユーザー調査やヒアリングに費やしての制作状況などの解説+平野さんと坂本さんとのディスカッション内では、受託する時のUXの活用などにも話が至りました。
セッションC パネルディスカッション「UXDと教育」
パネリスト:山崎 和彦 氏(千葉工業大学)、安武 伸朗 氏(常葉大学)、河口 英生 氏(トライデントコンピュータ専門学校)
コーディネーター:浅野 智 氏(HCD-Net)

最後は、UXD教育として社会人よりもっと若い世代、学生に対してUX教育の現状と、どのような取組みをされているのか、それぞれ立場の違う教育現場の先生方の意見をディスカッション形式で話していただきました。千葉工大の山崎先生、常葉大学の安武先生と一緒に、トライデントコンピュータ専門学校の河口も同席させていただき、UX教育とまでいかないものの「情報デザイン」の授業について、話をしました。大学の教育に比べると2年制学科ですので、「具体的な手法にこだわらず、制作の中に自然と取り込まれているような進め方をしている」と伝えたかったのですが、少し伝わりにくかったかもしれません。
会場の運営なども兼ねているため、各セッションの詳細などは参加者の方のブログなどをご覧ください。
常葉大学の学生さんたちが、各セッションをRTD(リアルタイムドキュメンテーション)されていて、こちらの記事(UX Japan Forum 2014 覚え書き #UXJapan| 「わ」の日記もどき)にもまとめられて、紹介されていますので、どうぞ。

今回は全国各地からお越しいただきありがとうございました。次回は、札幌で開催されるそうですので、おいしい食事とともにいかがでしょうか。