2014.03.22 [土] 忘れていた「Google Web Designer」を起動してみた。
どんどん春めいてきてきますが、そろそろ新年度に向けての準備はいかがでしょうか。
さて先日の「HTML5勉強会 名古屋」がフリーテーマのLT大会でしたので、Google Web Designerについて話しました。サンプルも制作したので、工程など簡単にご紹介しておきます。
Google Web Designer とは
Google Web Designer は、HTML5 で構築された高度なウェブ アプリケーションで、視覚的なコーディング インターフェースを使用して、HTML5 広告をはじめとするさまざまなウェブ コンテンツをデザイン、作成できます。デザイン ビューで描画ツール、テキスト、3D オブジェクトを使ってコンテンツを作成し、タイムラインでオブジェクトをアニメーション化できます。コンテンツの作成が完了したら、人間が解読可能な HTML5、CSS3、JavaScript を出力できます。
Google Web Designer では、広告クリエイティブを作成する際に、コンポーネント ライブラリから画像ギャラリー、動画、広告ネットワーク ツールなどを追加できます。
Google Web Designer のコード ビューでは、CSS、JavaScript、XML の各形式のファイルを作成できます。構文の強調表示機能やコード オートコンプリート機能を使用しているので、コードを簡単に記述でき、入力ミスを防ぎます。
タイムラインを使ったアニメーション制作や3D描写など、なんか色々なことができそうです。昨年の10月に公開されて、TwitterやFacebookでも話題になっていました。
公開されて即ダウンロードして起動してみたものの、ユーザーインタフェイスを確認したら、それ以来忘れていました。ということで、LTのネタということで、簡単なものを作ってみました。
Flashが使われなくなってきて、アニメーションさせるのにJavaScriptで書くようになってきています。Adobe Edge Animateなど、タイムラインで操作できるアプリケーションがでてくると、初めて作りたいという人にも、もっとWebサイト制作に興味を持ってもらえるようになるはずです。という意味もこめて今回は、
- Webサイト?バナー?何がが作れるのか。
- コードビューはエディターとして使えるのか。
- 簡単なのか。
さて、起動すると黒いUIが表示されます。シンプルでツールやメニューの数も少ないので、他のグラフィックソフトに比べれば初めてでも分かりやすいかと思います。ツールについてもアイコンでわかると思いますが、詳しく名称や機能を知りたい方はGoogle Web Designerに掲載されています。

「メニュー」→「新しいファイル」を選ぶと「新しいファイルを作成」ダイアログが表示されます。Googleのソフトウェアですので、デフォルトはGoogleの広告サイズが設定されています。「空のファイル」からHTMLファイルを選ぶこともできますが、コンポーネントなど使えない機能が出てきてしまうので、今回は何も考えずバナーの「728×90」で制作をします。後からも「プロパティ」の「位置とサイズ」から変更できますが、デフォルトサイズからもわかる通り、Webサイトなどの制作用には作られていないようです。

まずは、キャラクターが走ってゴールするという、簡単なアニメーションを作ってみたいと思います。

Illustratorで作っていますが、ペイントツールで描いても良いと思います。Flashであれば簡単に各コマをコピペして、表示・非表示でアニメーションさせられますが、Google Web Designer(略してGWD)では、どうでしょうか。

Illustratorから直接コピペするとimgとしてタイムライン上にペーストできます。(ちなみに、Illustratorと同じメーカーのAdobe Edge Animateではできません。Photoshopからも。なぜ?)キーフレームの移動やレイヤー操作など、まだ動きが悪い部分はありますが簡単にできます。

ただ致命的な問題があって、ペーストされたイメージは、キーフレームにあるなしに関わらず、すべて表示されます。このフレームだけ見えないようにしたいとかの設定ができません。無理やり「プロパティ」→「スタイル」の透明度0で消すことができますが、すべてにトゥイーンがかかってしまうので、パッとは切り替わりません。

試行錯誤してみたのですが結局、諦めて画像の切り替わりはGifアニメにすることにしました。コマ撮りアニメーションなんかは厳しいようです。もしかしたら、他に方法があるのでしょうか。

最終的には走るアニメーションに合わせて、横にスライドさせます。スライドとともに文字が現れるようにしました。レイヤーの一番下に矩形を作り、色も設定してあります。

クリックするとアニメーションがスタートするようにしたいので「コンポーネント」の「タップ領域」をドラッグして配置します。上部ツールオプションメニューの変形コントロールのチェックを入れて、領域サイズを全体に覆うようにハンドルを操作します。

クリックしてイベントが発生するように設定するのですが、同じページで実現させる方法は見つからなかったので、page1に静止画状態でクリックするとアニメーションするpage1_1に移動するように設定しました。コードを編集すればできるのかもしれません。ワークスペース右下の「page1」をクリックして複製します。

page1の不必要なコンテンツは削除して、クリック領域の設定をします。

あとは、タイムラインを調整してブラウザの表示を確認すればOKです。公開ボタンを押すと、必要なファイルをまとめて書き出してくれます。
サンプル
多少コツは必要ですが、HTMLやCSS、JavaScriptを触らずにアニメーションが作れます。
エディターとして使えるのかというと、コードビュー内は改行されず、フォントの大きさも変えられません。コードヒントも使えるようなのですが、あまり精度がよくないみたいです。
参考:Google Web Designerはエディタとして使えるのか | とあるプログラマーのブログ

結論としては、ベータ(v1.0.4)ですので、まだまだ物足りない感じでした。単純にモノを動かすことはできますが、ちょっと複雑なことをやろうとすると苦労します。コードを触らずにアニメーションさせたければ、まだAdobe Edge Animateの方が良いでしょう。コードエディタとしても、扱いづらいです。
しかし、シンプルなUIと少ないツールやメニューは、初心者にもわかりやすく、タイムラインを駆使すればコードを書くよりも直感的に作ることができます。HTML5が隆盛するようになり、Flashの話題が少なくなってきてから、ちょっとしたWebサイトやコンテンツを制作する障壁が上がってきているように感じます。
特にグラフィック系のツールが何もかもできるようになってメニューが複雑になってきていて、起動しても何をしていいのかわからないのではないでしょうか。昔はもっと簡単だったような。 Adobe MuseやJimdo、Macawなどコードを触らずに制作するアプリやWebサービスもどんどん開発されてきていますが、Webサイトにこだわらず、アニメーションや動画などが制作できるものがあると、気軽に始められるのではないでしょうか。
今後も注目していきたいと思います。期待してます。