2014.09.22 [月] WCAN 2014 Autumnに参加してきました。

今回は、たまたま4セッション、全てがBルームでした。ルーム移動もなくゆったりとメモが取れましたので、ブログにまとめておきます。

セッション1
ボクらは誰でもセカイと未来を変えられる 〜+1スキルのご提案〜
デザイン工房ハラペコ 西岡 克真さんWEBで培った技術はもはやそれだけにとどまらず、色んな要素と絡み合い世界にインパクトを与えられるスキルになりつつあります。 VRやプロジェクションマッピング等、最近トレンドのテクノロジーをおさらいしつつ、エンタメ系だけでなく、実用的な活用方法について世界の実例を交えてご紹介。トライデントコンピュータ専門学校でも講師をお願いしている、西岡さんのセッションです。もともとFlashを利用したコンテンツ制作を中心に仕事されてきましたが、最近は新しい技術・表現分野にどんどん挑戦されていて、今年、名古屋駅近くの柳橋市場内にフィーバー柳橋をオープンされました。
このセッションを通して、何かはじめたくなってもらえれば幸いです。


フィーバー柳橋を中心にして、“わくわく”を発信している西岡さんから、いま持っているWebのスキルを使って「始めちゃおう」「作っちゃおう」と具体的な事例とともに紹介されました。
会議のプレゼンにしか使わないプロジェクター(確かに)があるのであれば、使わないのはもったいない。何でもいい!何かを写してみればいい。何かに何かを。という事で、Tシャツに画像を投影するだけも、何かのヒントになるかも。
また、東京ゲームショウでも話題になっている“VRヘッドマウントディスプレイ”これらのデバイスなどを使った試作も早くから進められていて、実験的な場の創出(フィーバー柳橋、イベントなど)もされていて、これからもどんどん“わくわく”が見られそうです。
セッション2
Web制作を好きになる指導法 ー生徒と学ぶ3年間ー
名古屋市立工芸高等学校 加藤 ひとみさん現在高校でWeb制作の指導をしています。将来はWeb業界で活躍する生徒を育てることを目標に取り組んでいます。競技大会で、いつもお世話になっている名古屋市工芸高校の加藤先生の話。学生時代から情報科の教師になられた経緯、競技大会に本気になったきっかけ、生徒への指導法など勉強になりました。
3年間継続して学習していく中で、Web制作の競技会や全国大会などにも挑戦しています。
Web制作を好きになり、継続して制作していくために、どんなことをさせているのか、これまで悩み考えながら生徒と一緒に学んできたことを紹介します。


指導①
ウェブ配色の本を読んで、色が持つ印象に興味をもつ
ウェブサイトのトップページのキャプチャ100枚
その中からワイヤーフレーム30個
与えられたテーマに沿ったモックアップ10個
(花屋・学校・病院など)
1サイトにキャッチコピー10個
ロゴマークのデザイン案
指導②
Flash、Illustrator、Photoshopなどのツール使用法
指導③
一緒にサイト制作をしてみる。
例題を用いてサイトの制作。
その都度タグの説明をして、ノートに書く。
ノートの重要性(WEBノート)
指導④
ひとりでサイトを制作してみる。
→テーマを与えてサイトを制作する。
→モックアップを提出し、制作スタート。
わからないことは自分で調べる。
自分で解決する。
指導⑤
作品のプレゼンテーション
仲間と共有
→ダメ出しをもらって、技術を向上させる
→必ず自分のサイトを振り返る
まずは、意見を受け入れる。
→素直がいちばん
指導⑥
同じ課題で全く別のデザインでサイトを制作する
1つのデザインに偏らず、いろんな考えを養うため
先輩とペアになり、わからないところを教えてもらう
授業外の活動で、とても体系的に指導されています。結果がでているという事は、ウェブを好きになる部分と厳しく課題をクリアさせる部分のバランスが良いのだと感じました。
セッション3
ウェブデザインにおける動きの演出のついて
有限会社アップルップル 山田 拓生さんウェブデザインにおける動きの演出は今後ますます求められてくると思います。しかしながら、どのように動きをつけたらいいのかなど手探りな場面も多いと思います。現在ウェブサイトで使われている動きの演出をリサーチ・分析し、参加者の方と動きの演出について情報を共有できればと思います。課題として「CSS、JSで動きの実装が求められるチーム内でのイメージの共有」をどうしたらゴール「ユーザーが楽しく使い続けてくれる動きのあるサイトが作れるようになる。」へ持ってこれるのか。考え方のポイントと実例を交えてのお話しでした。


POINT1 UIアニメーション
演出のストックを増やそう。自然界の動きを理解しよう。
POINT2 インタラクション
フィードバックはルールを理解してもらうため。
動きをつけると促せるが、使いすぎるとストレスに。
POINT3 伝え方とテスト
早めにアウトプットして短いスパンでテスト。
時間をかけないようにツールを上手に使う。
以前からFlashでインタラクティブな動きを制作されていた山田さんの話は、とても楽しく勉強になりました。
セッション4
ニュースから読み取るこれからのデザイン
株式会社アクアリング 青山 敬司さんデザインは問題解決のための手法であり、それはつまり今後の問題を読み取って行くことで先手が打っていけるということに他なりません。日頃から最新のトレンドや新しい技術などをインプットしているデザイナーの方も多いはず。でもあまりニュースを読んでいるデザイナーは少ないかも。流行の表現を仕事に取り入れる事も重要ですが、現在のニュースとそこから読み取れる今後の予想など、デザイナー視点での話でした。
今後、大きな社会問題(現象)となる「人口・労働力の減少」「市場の縮小」に対してWebや広告のあり方と、そこに関わるデザイナーがどう向き合い、どう仕事に関わっていくのか。 昨今の社会事情、ニュースをマーケターではなく、デザイナー視点で捉え、これからのデザインについて話しをします。


2050年、日本は超高齢化が進んでいきます。高齢者にとって便利な使いやすいデザインを今から模索していく必要がある。世界の主要な国に比べても20年ほど高齢化が進んでいる日本、逆に言うとそれだけ早めに色々なノウハウが蓄積されるということです。Webアクセシビリティの重要性は増していく。
成熟した社会になって、もう爆発的な市場の上昇はあり得ませんが、海外からの観光などに対してのホスピタリティの充実を図る。
■ホスピタリティの例
写真のアングル
→キレイに撮りがち。
→わかりやすく。
写真を多く。
→指さしができるように。
ブックマークをしやすく。
→Ajaxが全盛期で1ページの容量が大きくなっている。
→回線が細いので。
→CMSで入れば楽かも。
外国人が日本に来て不満な事で上位に上がってくる「英語表記が少ない」など、まだまだデザインで満足度をあげられる部分は、たくさんあるでしょう。円高や消費税、国際情勢などニュースを知っておく事で、アイデアの源泉、引き出しが増えます。学生も何がきっかけでも構わないので、ぜひニュースをチェックして欲しいですね。ちなみに年代別人口の表がでてくると、いつも気になる1966年(今年48歳)の出生数が極端に少ないのは、丙午(ひのえうま)だったからですね。次は2026年ですが、あと12年、さすがにその時はどうなんでしょうか。
ということで、あっという間の4セッションでした。毎回、秋は講演者はもちろんですが、参加者個人専用のスケジュールとアンケートセットを受付でもらえたり、各ルームの司会など運営のみなさんの準備が大変だと思うのです。本当にありがとうございます!