5月14日(土)に株式会社ワンパク(
http://1pac.jp/)の阿部淳也氏を講師としてお招きして行われた「コミュニケーションデザインワークショップ」に参加してきました。

■講師紹介
阿部 淳也 氏 株式会社ワンパク(1PAC. INC.)自動車メーカで車内のユーザインターフェース設計を約7年間手がけた後、 IT部門で約4年間Webデザイン、 Flash、CG制作と共に、テクニカルディレクターを経験。 2004年よりCosmo Interactive Inc.に参加。多くのWebサイト立ち上げにプロデューサ、クリエイティブディレクターとして携わる。 2008 年にクリエイティブプロダクション1PAC. INC.を設立し独立。東京インタラクティブ・アド・アワード入賞、グッドデザイン賞受賞、 2010年WebクリエーションアウォードWeb人受賞など。
また、東北・関東大震災被災者への支援プロジェクトとして、Twitter上の被災地情報を市町区村ごとに携帯電話からでも見られるサイト”negau.org”の立ち上げを行う。[negau.org] http://negau.org/
鈴木 曜 氏 富士重工業株式会社2001年入社。2007年より、日本におけるスバルのオフィシャルサイト運営から、メディアバイイング、 WEBプロモーションまで、WEB領域全体を幅広く統括している。特にソーシャルメディアとリアルイベントを組み合わせたコンテンツ展開が評価されており、過去にTIAA、WebbyAwards 、世界で最も優秀なマーケティング・コミュニケーション活動を表彰するMAAW グローブス賞で銅賞を受賞。個人においても、「Webクリエーション・アウォード2010」で Web人賞を受賞している。一方で、ターゲティング広告に対する造詣も深く、就任後早くから積極的にWEBプロモーションにその手法を取り入れ、実践している。
■タイムテーブル
10:00~:座学(講師:株式会社ワンパク 阿部 淳也 氏)
11:00~:座学(講師:富士重工株式会社 鈴木 曜 氏)
12:00~:鈴木氏オリエンテーション
13:30~:個人でのアイディア出し
14:30~:チームディスカッション
15:30~:各チームまとめ
16:00~:各チームプレゼン
17:00~:総評、まとめ
18:00~:懇親会
スケジュールを見て分かるとおり、朝から晩までギッシリの内容でした。
講義1:株式会社ワンパク 阿部 淳也 氏◎コミュニケーションデザインとは、
企業や組織が社会で行なう活動において顧客や関係者とどのように向き合い、どのような関係を築いていくのかをマーケティングやブランドも踏まえたコミュニケーション全体として考える必要がある。
これは、非常に広義となります。
◎4P時代から4C時代へ
また、企業側からのコミュニケーションのあり方も高度経済成長時代に比べ変化してきました。

「Promotion」の語源はラテン語の「Prommobeo(前へ動かす)」からきており、買い手に対して強い志向性(一方向性)を感じるが、それに対して「Communicaion」の語源は、ラテン語の「Communico(共にあずかる、意味を共有する)」からきており、コミュニケーション戦略という表現ですべてを包括することができる。
そして、
フィリップ・コトラーの本は読んどけ
◎AIDMAからAISASSS…
インターネットが普及し始めてから購買行動の中で態度変動要因が「AIDMAからAISAS」へ変わってきた。
さらに、Action→Interest→Seach→Action→Share→Seach(自分の買った物への評価が気になる)→Shareという動きも見られ、消費する事へのネガティブさが伺える。(例)「~買っちゃってさー。」
SIPS【Sympathize(共感)→Identify(確認)→Participate(参加)→Share&Spread(共有・拡散)】ってのもあります。
◎マーケティング、ブランドとコミュニケーション
今までのPRは、メディアを向いて行っていたが、ソーシャルメディアの台頭で本当に生活者の方を向けるかが重要になってくる。
マーケティングコミュニケーション(プロモーション・販売促進・パブリックリレーションズ)+
ブランドコミュニケーション(アウターブランド・インターナルブランド・CI戦略、CSR、社会貢献、サポート、CS など)
特に社員に対する自社ブランディングの体現(インターナルブランディング)が重要。
◎コミュニケーションデザインの考え方のポイント
ポイントは5つ。
1.ターゲットセグメント→2.タッチポイント・チャネル→3.体験・表現・ベネフィット→4.ゴール→5.関係性。※このサイクルをぐるぐる回す。どこから始めてもいいし、順番が変わってもいい。柔軟に。
1.ターゲットセグメント世代や性別などデモグラなセグメントな時代は、終了しつつある。多様化しすぎているので、エリア軸・時間軸・行動軸などシナリオやシチュエーションを踏まえながら組み立てた上でのターゲットやセグメントを決める必要がある。(ペルソナをたてシナリオを書くのが有効)
2.タッチポイント・チャネル(どこでコミュニケーションを図るのか)店頭、PR、メディア、サイトなど。その他デバイスも考慮に入れるべき。
3.体験・表現・ベネフィット本当の広告とは、一方向性ではなく、どんな体験をして欲しいのか、どんなベネフィットを感じてほしいのか、「トータルなユーザー体験を設計、それによってユーザーが得られるものは何か」
を解決する方法である。
4.ゴールKPI(効果指標)を必ず立て、定期的に測定・評価をPDCAサイクルに乗せながら改善をしていく。
5.関係性ソーシャルメディアを使って関係を築いた後どうするのか、顧客情報を得た後どうするのかが重要となってくる。最近の傾向としては、「絆マーケティング」「マーケティング3.0」など精神的な関係性・繋がりが求められる傾向もある。「One on Oneマーケティング」ができる時代にもなってきた。
◎トリプルメディア・トリプルスクリーン

従来メディアミックス、クロスメディアなどと言われていたが、現在ではトリプルメディアという考え方に変わってきており、その中でも、やはり自社メディアの重要性が問われている。
Googleで検索したところ、横山隆治著書「
トリプルメディア・マーケティングに詳しく載っていそう。
デジタルサイネージは、現在節電のため東京よりは地方のほうが盛んに行われている。
以上が、阿部さんの講義で自分がチェックしたところを書き出しました。
途中、ブログに書くのを諦めようかと思うぐらい、内容の濃~い講座でした。
正直いうと、コミュニケーションデザインの講義の中で、ここまでマーケティングの話が出てくるとは思っていませんでした。しかし、本来マーケティングとはコミュニケーション、マネージメント、デザインを含めた広範囲に及ぶさまざまな交換活動と考えると、コミュニケーションデザインの行動の規範として、重要な位置づけになるのは当たり前なのかと思います。
ということで、最初から脳みそフル回転でした。
この後の、スバルの鈴木さんの講義も濃密で、そのまとめとワークショップについては次に書きます。